30代で保育士デビューをして、現在は小児科で病児保育士をしている「かもん」です。
保育士試験の筆記試験をすべての科目で合格すると、次はいよいよ実技試験が待っています。
「保育士試験の実技は“言語”で受けようと思ってるけど、不合格になる人も多いって聞く…」
そんな不安を抱えていませんか?
保育士試験の実技試験(言語)は、一見シンプルなようで実は合格率にばらつきがあり、事前の対策次第で大きく結果が変わる科目です。

練習のやり方はあっているのかな?



合格するためのポイントは何だろう?
そんな方たちのために保育士試験の実技科目「言語」の自宅でできる練習法についても、私の実際の練習のしかたをもとに解説します。



私は実技試験は完全に自己流で練習しましたが、当日39点で合格できました!
この記事はこんな人におすすめ!
- 実技試験で「言語」を選ぶ予定の方
- 言語で不合格になる理由を知っておきたい方
- 合格に向けて、準備のポイントや話し方のコツを知りたい方
- 「どうやって練習すればいいの?」と悩んでいる方
この記事を読むとどうなる?
- 言語で不合格になる具体的な原因がわかる
- 合格するための準備・練習方法がはっきりする
- 合格者の体験談を参考に、自分の対策に活かせる
- 緊張せず自信を持って本番に臨むコツがつかめる
これから「言語」で受験しようと考えている方、ぜひ最後まで読んで自信を持って試験に臨んでくださいね。
ポイントをおさえて効率のよい練習をすぐにでも始めましょう!
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1科目だけの受講もできるのでコスパもいいし、合格までのサポートが受けられるのでかなり心強いです^^
実技試験科目「造形」の練習法についてはこちらをご覧ください。


保育士試験の「言語」ってどんな内容?


保育士試験の実技は「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3つから2つを選択して受験します。
その中でも「言語」は、特別な道具が不要で準備しやすいことから多くの受験者に選ばれている人気の実技です。



「ただ話せばいいだけでしょ?」と思っていると、意外と落とし穴が…
まずは、試験の基本情報と評価の観点、他の実技との違いについてしっかり理解しておきましょう。
2025年度・実技試験「言語」の試験内容
最初に、実技試験「言語」の試験について内容を確認しましょう。
全国保育士養成協議会の公式HPでは、令和7年度の「言語」の試験について以下のように示されています。
3 歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、
子どもが集中して聴けるようなお話を行う。
求められる力:保育士として必要な基本的な声の出し方、表現上の技術、幼児に対する話し方ができること。
課題
1.「ももたろう」(日本の昔話)
2.「3びきのこぶた 」(イギリスの昔話)
3.「「おむすびころりん」」(日本の昔話)1~3の課題のうち、いずれかを試験室入室後に指定します。指定された課題以外を行った場合は、採点の対象外となります。1~3のどの課題を指定されても話せるように準備しておいてください。
- 子どもは15人程度が自分の前にいることを想定する。
- 一般的なあらすじを通して、3歳の子どもがお話の世界を楽しめるように、3分にまとめてください。
- お話の内容をイメージできるよう、適切な身振り・手振りを加えてください。
- 絵本等を持つことを想定せず、お話をしてください。
注意1 : お話をする際は立ってでも座ってでも構いません。
引用元:全国保育士養成協議会公式HP
注意2 : 題名は開始合図のあと、一番最初に子どもに向けて言ってください。
注意3 : 絵本・道具(台本・人形)等の一切の使用は禁止です。
注意4 : 3分間は退出できません。時間は係がタイマーで計ります。
注意5 : 子どもに見立てた椅子等を前方に用意します。
課題は毎年同じとは限りません。
同じ年度でも前期と後期で課題が違う可能性もありますので、必ず受験される際は受験の手引きなどで課題を確認してください。



注意事項もしっかり確認しておきましょう。
絵本や道具の持ち込みは×です!
試験の目的
この試験の本質は、
「子どもにわかりやすく、心地よくお話を伝える力があるか」
を見極めること。
つまり、ただ台本を暗記して発表するだけではなく、
子どもに語りかけるような自然な表現力や温かさ、親しみやすさが求められます。
評価の観点と採点基準
保育士試験の言語実技では、以下のような観点で総合的に評価されます。
■評価の主なポイント
| 項目 | 評価される内容 |
|---|---|
| 構成・展開 | 話の順序がわかりやすいか/起承転結があるか |
| 表現力 | 声の抑揚・リズム/感情の込め方/キャラクターの区別 |
| 態度 | 表情/目線/姿勢/親しみやすさや優しさ |
| 言葉づかい | 年齢にふさわしい語彙か/簡潔で聞き取りやすいか |
| 時間配分 | 3分以内に自然に収まっているか |
※配点や合格基準は公開されていませんが、明らかな減点ポイント(例:時間オーバー、棒読みなど)は避けるべきです。
■「うまく話す」より「伝わるか」
審査員は「プレゼンの上手さ」ではなく、
保育士として子どもに語りかけられる自然な表現力を見ています。
だからこそ、完璧な暗唱より“子どもと向き合って話している雰囲気”が重視されるんです。
他の実技(音楽・造形)との違いとメリット
言語試験には他の実技と比べて、次のような特徴があります。
■メリット
- ピアノや絵のスキルが不要
- 家でも1人で手軽に練習できる
- 実技対策にかかるコストが少ない
- 声や表情などの“演技”要素が活かせる
■注意点
- 表現の良し悪しが“曖昧”で自己評価しづらい
- 合格基準がはっきりせず、「感覚」に左右される
- 本番の緊張で声が震える人も多い
「言語=簡単」と思われがちですが、実は“見えない評価”に対する不安が大きいのも事実です。
そのため、評価のポイントを正しく理解し、的を絞った練習が大切になります。
よくある誤解と注意点
最後に、初めて言語試験を受ける方にありがちな誤解をいくつかご紹介します。
■「ただセリフを覚えればOK」は危険!
→実際はその先の表現力・子ども視点・聞かせ方までが評価対象です。
■「一言一句ミスなく暗記しなきゃ」は不要!
→流れが自然なら多少言い回しが違っても減点にはなりません。むしろ、自然な語り口の方が好印象です。
■「身振りや動きは要らない」はNG!
→表現にメリハリをつけるジェスチャーや表情の工夫が、合格に繋がります。
実技試験のワンポイント!
実技試験は、人によって待ち時間の長さが違います。
長ければ4時間くらい受験科目の間に時間が空くこともあります。
緊張状態が長く続くと、試験が始まるまでに疲れ果ててしまい集中力が切れてしまうこともあります。
必ず事前に待ち時間の過ごし方を考えて、リラックスするために必要なものや時間がつぶせるものを準備しておきましょう。
また発声がとても大事な科目なので、のど飴や水分も持参しておくことをおすすめします!
実技試験当日についてはこちら。「言語」を受けたときの体験談もあります。
実技試験本番は立つ?座る?
実技するとき受験者用に座るイスが用意されていますが、立っても座ってもどちらでも構いません。
ですが受験者の多くはイスに座って実技試験を受けたようです。
私も座って実技試験を受けました。
その理由として以下の点が挙げられます。
- 自分用の椅子が用意されている
- 目の前の子供に見立てた椅子の高さに目線を合わせやすい
- 実際の保育では座って読み聞かせすることが多い
子どもに読み聞かせすることを想定した時に、立ったまま上から子供たちを見下ろすよりも座って目を合わせながらお話をするほうが良いと思います。
「課題にある3 歳児クラスの子どもに3分間のお話をすることを想定】という点においても、座って素話をするほうがお題に合っているんではないでしょうか。



実際の保育でも、座って絵本を読むことがほとんどです♪
実技試験「言語」の練習方法
練習で準備するもの


言語は当日あまり準備物は必要ありませんが、練習するときにあると役立つものを紹介します。
・台本(暗記しておく)
・タイマー
・撮影できるもの(スマホなど)
・椅子
・子どもに見立てた人形など
・鏡
練習の簡単な流れ〈3ステップ〉


なるべく本番の環境に近づけるために、自分用の椅子と目の前に子どもに見立てた人形を間隔を空けて2~3体置いて練習します。
こうすることで、子どもたちが目の前にいるというイメージを膨らませやすくなります。



目線のやり方の練習になりますよ!
そしてタイマーで3分を測りながら、台本を見ず目の前の人形たちに向かってお話しします。
目の前に鏡などを置いていると、話している時の自分の表情がリアルタイムで分かります。



鏡はなくても、スマホなどで自分のお話ししている姿を撮影しておくと、あとから見てチェックすることができます!
「言語」の練習をするときのポイント


「自分の話す姿を撮影してチェックすること」
これが、言語の練習ではとても大切になります。
撮影してみることで、客観的に自分の姿をみることができます。
そして、その際チェックするポイントは以下の通りです。
- どんな表情で話しているか
- 目線のやり方
- 声の大きさ
- 話すスピード
- 登場人物ごとに話し方や声の高さは変えているか
- 身振りや手振りは自然にできているか
- 話のストーリーは子どもたちにわかりやすくまとまっているか
- 子供にわかりやすい言葉を使っているか
では、練習の流れと各ポイントについて1つずつ解説していきます。
台本作り
まず何より重要なのは、課題のお話を子どもたちにわかりやすく3分にまとめる作業です。
条件にある年齢の子どもたちにわかるような言葉を選んで、お話をまとめなければなりません。
私が意識したのは以下の2点です。
- 一文があまり長くならないようにする
- 繰り返しのフレーズを入れる
長々とした文章では子どもたちにも伝わりにくいし、自分も話しにくいですよね。
なるべく短く、単純な文章が良いと思います。
そして、セリフに繰り返しのフレーズを入れました。
子どもたちを飽きさせず、自分も話の流れをつかみやすいためです。



同じフレーズを使うと、身振りや手振りも繰り返し使えて、一石二鳥です!
台本をおぼえる
台本ができたら、次はその台本をひたすら覚えこむ作業に入ります。
この時のポイントは
一字一句間違わないよう暗記するのではなく、話の流れを間違わずに話せるように暗記する
ことです。
一字一句間違わずに話せるかの試験ではありません。
「子供たちがお話を楽しめるか」
試験官が求めているのは、保育士として子どもたちにお話の楽しさを伝えられるような話し方をしているかです。
当日にセリフや台本の文章が飛んでしまっても、流れをおぼえていればなんとかなります!
頭の中にお話の場面をイメージさせながら、がんばって覚えましょう!!
実演する
台本が覚えられたら、さっそく実演してみましょう。
ノックしてドアから入り、荷物を置き、試験官に受験番号シールを手渡し、自分の椅子の横に立ちます。
タイマーを3分に設定して、
「お願いします。」
で椅子にすわって、お話スタート。
一連の流れの撮影も忘れずにしてください!
実演が終わったら、必ず撮影したものを確認します。
表情が固かったり、声が小さかったり、身振り手振りが大げさだったり・・
色んな事がきっとわかると思います。
気が付いたことはすぐに改善して、もう一度実演・・・
この繰り返しでどんどん上手になると思います!
人の前で実演する
さあ、いよいよ最終段階です。
実際に誰かに自分の実演を見てもらいましょう!
きっと、最初はめちゃくちゃ恥ずかしいと思います。
わたしも家族の前で実演するのが、一番恥ずかしかったです・・
でも、保育士試験に合格するため!
その壁を打ち破って、人前で話すということに慣れてしまえば、自然と合格はみえてきます!
そして、見てもらった人にはどんどん意見をや感想を言ってもらいましょう!
自分では気づいていなかったことや、取り入れたらさらに良くなりそうなことなど、きっと何か収穫があると思います。
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言語で不合格になる主な理由とは?
保育士試験の実技「言語」は、比較的取り組みやすいと思われがちですが、実は“油断して不合格になる人”も多いのが現実です。
「うまく話せたつもりだったのに…」
「緊張して頭が真っ白になった…」
「どこが悪かったのかわからない…」
このような声は毎年たくさん聞かれます。
ここでは、言語試験で不合格になりやすい理由を具体的に紹介しながら、失敗を防ぐためのポイントも一緒に解説していきます。
一方通行な話し方になっている
言語で最も多い失敗のひとつが、“子どもに語りかけていない”話し方です。
■こんな話し方はNG
- 原稿をただ暗唱しているだけ
- ずっと無表情・棒読み
- 一定のテンポで淡々と進む
これでは、子どもが興味を持てませんし、「保育士としてふさわしい表現力がある」とは評価されにくいのです。
■保育士に求められる話し方とは?
- 子どもが想像しやすいテンポや抑揚で
- キャラクターごとに声を変える工夫
- 子どもに語りかけるような温かみのあるトーン
たとえば、「おばあさんが出てくる場面では声を低く」「びっくりする場面では目を見開く」といった表現があると、グッと引き込まれるお話になります。
抑揚がなく、表現にメリハリがない
内容自体は間違っていなくても、「印象に残らない」「聞きづらい」と判断されることがあります。
その多くは、“声の抑揚や感情表現が不足している”ことが原因です。
■よくある失敗例
- 最初から最後まで同じ声のトーン
- 登場人物の感情の変化が伝わらない
- 場面の切り替えがわかりにくい
■どうすればいい?
- 登場人物の感情を読み取り、声で表現する → 例:「ももたろう」が元気な時はハキハキと、悲しい場面は少し声を落として話す
- 間(ポーズ)を入れることで印象に残る話し方に → セリフの後に少し間を取ると、次の展開がよりドラマチックに
- 抑揚=“感情の地図”を描く意識で → 話のどこで盛り上がるか・どこで静かになるかを設計しておく
時間配分を間違えている(長すぎ・短すぎ)
言語試験には明確な制限時間があり、「3分以内」でお話を終える必要があります。
しかし、この時間配分で苦労する受験者が非常に多いです。
■ありがちな失敗パターン
- 原稿を盛り込みすぎて時間オーバー
- 焦って早口になり、聞き取りづらくなる
- 内容を削りすぎて2分以下になってしまう
■時間の目安は「2分30秒」
本番では緊張して話すスピードが変わりやすいため、2分30秒前後で終わる構成がベストです。
- ゆっくり丁寧に話してちょうど良くなる
- 少し詰まっても余裕が持てる
- 落ち着いたテンポを保てる
声の大きさ・滑舌に自信がない
意外と盲点なのが、「声のボリューム」や「滑舌・発音の明瞭さ」です。
■聞こえにくい話し方は減点対象に
- 声が小さすぎる(緊張で声が震える)
- モゴモゴと話してしまう
- 語尾が不明瞭になる
審査員は複数人いて、距離も少し離れているため、声がしっかり届かないと評価されにくくなります。
■対策のポイント
- しっかり口を開けて発音する
- 滑舌練習(例:「赤巻紙青巻紙黄巻紙」などの早口言葉)を毎日行う
- 緊張しても腹式呼吸で声を安定させる



「声の出し方」は、意識するだけで格段に改善できます。
身振り・表情が乏しい
言語試験では、セリフだけでなく“全体の雰囲気”が見られているという点を忘れてはいけません。
■見落としがちなポイント
- ずっと無表情のまま話している
- 視線が定まらず、うつむきがち
- 身振りが全くなくて場面の変化が伝わらない
子どもは、話の内容と一緒に「表情」「動き」も感じ取って楽しみます。
■おすすめの工夫
- セリフに合わせて軽く手を動かす(例:「こぶたが家を建てる場面」でトントンと叩く仕草)
- 驚きの場面では、目を大きく見開く・声を上げる
- 子どもがいる方向をイメージして視線を向ける
「自分なりの工夫」が足りない
最後に、「どこかで見た話し方」「誰かの原稿をそのまま使った」ような印象の話し方は、個性や思いが伝わりづらくなるため評価が伸びにくくなります。
■なぜ“自分らしさ”が重要なの?
言語試験は、子どもと接する現場を想定したもの。
つまり、あなた自身の“保育士としての人柄”や“表現の雰囲気”を見ている試験でもあります。
誰かの真似ではなく、あなたの言葉・あなたのトーン・あなたらしい表現を意識することで、自然な魅力が伝わります。
▼実技対策ができる通信講座もあり!
おすすめの通信講座を5つ厳選して紹介しています。
効率よく勉強して保育士試験合格を目指しましょう☆


まとめ:言語試験は「伝える力」で合格が決まる!


試験官の前で、何も見ずに3分も話なんてできるのかな・・と皆さん最初は不安だと思います。
でも、いろんな人に見てもらった経験があれば、意外と当日は落ち着いていられます。
それに、この試験で「保育士試験がおわる~~」というモチベーションで実技試験にのぞめば、結構楽しむことができたりもします。
実技試験「言語」で一番大切なこと
=聞き手の子供たちが物語の世界に入り込めるような話し方ができる
そのために特に重要なのは次の3点です。
- 子供がわかりやすい言葉を使う
- 繰り返しのフレーズでリズムを付ける
- 目線のやり方や表情に変化をつける
保育士試験を受験して、実技に進んでいるだけでも充分すごいことです。
自分の経験値めっちゃ上がってます!
まずはそんな自分をほめながら、最後の壁である「実技試験」合格に向けて、もうひとがんばり!!
そんな頑張るみなさんを全力で応援しています。
この記事が、誰かのお役に立てると幸いです。
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