
保育士なのに、お気に入りの子がいるのはダメ?



どうしてもかわいいと思ってしまう子がいる……



「ほかの子と接し方が違っていないか心配」
毎日たくさんの子どもと関わっていると、「この子とは気が合うな」「かわいいな」と感じる子がいることもありますよね。
その一方で、保育士は子どもたちに公平に接することが求められる仕事です。
そのため、特定の子に親しみを感じるだけでも、
「私って保育士失格なのかな……」
と罪悪感を持ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、大切なのは「お気に入りの子がいるかどうか」だけではありません。
注意したいのは、その気持ちによって特定の子だけを優遇したり、ほかの子への対応を変えたりしていないかということです。
この記事では、
保育士にお気に入りの子ができる理由から、
「お気に入り」と「ひいき」の違い、注意したい行動、すべての子とバランスよく関わるためのコツまで詳しく解説します。



「お気に入りの子がいる自分はダメなのかな」と悩んでいる方は、自分の保育を振り返るきっかけにしてみてください。
保育士にお気に入りの子がいるのはダメ?


結論からいうと、特定の子に対して「かわいいな」「関わりやすいな」と感じること自体と、その子だけを特別扱いすることは分けて考える必要があります。
子どもは一人ひとり性格も違えば、保育士との関わり方も違います。
よく話しかけてくれる子もいれば、甘えてくれる子、遊びの好みが合う子もいるでしょう。
そのため、日々関わるなかで親しみを感じやすい子が出てくることはあります。
問題になるのは、その気持ちが保育中の行動に表れ、
「○○ちゃんばかり抱っこする」
「○○くんとばかり遊ぶ」
「同じことをしてもお気に入りの子には注意しない」
など、子どもによって対応を変えてしまうことです。
お気に入りの子ができること自体と「ひいき」は違う
「お気に入り」と「ひいき」は、同じように見えて少し違います。
例えば、
「この子の話し方、かわいいな」
「いつも笑顔で話しかけてくれるから関わりやすいな」
と心の中で感じることと、
「かわいいからこの子だけ特別扱いしよう」
と実際の保育で対応を変えることは同じではありません。
保育士として注意したいのは後者です。
自分の感情そのものを無理に否定するより、
「その感情が子どもへの対応に影響していないか」
を振り返ることが大切です。
保育士と子どもにも相性はある
子どもたちの性格は一人ひとり違います。
よく話す子、おとなしい子、甘え上手な子、自分の気持ちを強く表現する子などさまざまです。
保育士側にも性格や得意な関わり方があります。
そのため、
「この子とは自然に会話が続く」
「この子にはなぜか頼られる」
ということがあっても不思議ではありません。
逆に、
「この子とはどう関わったらいいかわからない」
「何度注意してもうまく伝わらない」
と感じる子がいることもあります。
そこで「私は保育士に向いていない」と自分を責めるより、
自分がどんな子と関わりやすく、どんな子との関わりに難しさを感じるのか
を知ることが大切です。
自分の傾向に気づくことで、無意識のひいきを防ぐことにもつながります。



私も「今日は誰とよく関わったかな?」と振り返ることで、自分の関わり方が偏っていないか意識するようにしています。
「平等に接する=全員にまったく同じ対応」ではない
ここも大切なポイントです。
子どもたちへ公平に接することは、全員にまったく同じ対応をすることではありません。
例えば、登園時に不安が強い子には長めに寄り添ったり、まだ言葉で気持ちを伝えるのが難しい子には丁寧に代弁したりすることがあります。
発達やその日の状態によって、必要な援助は違います。
そのため、
「Aちゃんを抱っこしたから、Bちゃんも同じ時間だけ抱っこしなければいけない」
という意味での平等ではありません。
大切なのは、
「自分が好きだから特別にする」のではなく、「その子に今必要だから援助する」
という視点を持つことです。
保育士が「お気に入りの子」を作りやすい理由


では、なぜ特定の子を「かわいい」「お気に入り」と感じるのでしょうか。
理由を知っておくと、自分の気持ちを客観的に振り返りやすくなります。
自分によく懐いてくれる
「先生、一緒に遊ぼう!」
「先生大好き!」
と積極的に関わってくれる子には、自然と親しみを感じやすいものです。
自分を頼ってくれたり、見つけると笑顔で駆け寄ってくれたりすると、かわいいと感じることもあるでしょう。
ただし、自分に積極的に関わってくれる子だけに目を向けていると、自分から甘えるのが苦手な子との関わりが少なくなる可能性があります。
「よく来てくれる子」だけでなく、静かに過ごしている子にも意識して声をかけてみることが大切です。



甘えるのが苦手な子にも目を向けて欲しいケロ☆
素直で関わりやすい
保育士の話をよく聞いてくれたり、声をかけるとすぐ行動してくれたりする子は、関わりやすいと感じることがあります。



クラス運営が忙しいと、こうした子に助けられる場面もありますよね。
しかし、
「言うことを聞いてくれる子=良い子」
「なかなか行動してくれない子=困った子」
と決めつけないよう注意が必要です。
行動の背景には、その子なりの理由があるかもしれません。
自分と性格や好みが合う
好きな遊びが同じだったり、会話のテンポが合ったりすると、自然と一緒に過ごす時間が増えることがあります。
これは大人同士の人間関係でも起こることです。
ただ、保育士はクラス全体を見る立場でもあります。
「気づいたらいつも同じ子と遊んでいる」
という場合は、少し意識してほかの子との関わりを増やしてみましょう。
手がかからない子をかわいいと感じることもある
自分で身支度ができたり、集団活動へスムーズに参加できたりする子は、保育士にとって「関わりやすい子」になりやすいことがあります。
忙しい保育現場では、そうした子に助けられることもあるでしょう。
一方で、手がかからない子ほど保育士からの個別の関わりが少なくなってしまう場合もあります。
「困っていないように見えるから大丈夫」と決めつけず、その子自身の気持ちにも目を向けることが大切です。
保育士の「お気に入り」がひいきになるNG行動


お気に入りの子がいることよりも注意したいのが、その気持ちが行動に表れてしまうことです。
自分では普通に接しているつもりでも、周囲から見ると「あの子だけ特別扱いされている」と感じられることがあります。



ここからは、特に注意したい行動を見ていきましょう。
①お気に入りの子ばかり抱っこする
甘えてくる子を抱っこすること自体が悪いわけではありません。
しかし、いつも同じ子ばかり抱っこしていると、ほかの子が、
「先生は○○ちゃんばかり」
と感じることがあります。
特に自由遊びなどで、自分から甘えるのが苦手な子にも目を向けてみましょう。
抱っこだけでなく、隣に座る、話を聞く、一緒に遊ぶなど、安心感を与える方法はいろいろあります。
子どもから抱っこを求められたときに、
「どこまで応えていい?」「特定の保育士ばかりに抱っこを求めるときはどうする?」と悩むこともありますよね。
抱っこの要求への具体的な対応については、こちらの記事で詳しく解説しています。
あわせて読みたい
→ 保育士の抱っこはどこまでOK?抱っこばかり求める子への対応を解説
②お気に入りの子とばかり遊ぶ
自分によく話しかけてくれる子とは、自然と遊ぶ時間が長くなりがちです。
しかし、いつも同じ子とばかり遊んでいると、ほかの子との関わりが少なくなります。
ときどき、
「今日は誰と一番長く関わっていたかな?」
と一日を振り返ってみるだけでも違います。
③注意の仕方を変える
特に気をつけたいのが、同じ行動をしているのに子どもによって注意の仕方を変えてしまうことです。
お気に入りの子には、
「もう、しょうがないなあ」
と笑って済ませるのに、別の子には強く注意する。



このような対応の差は、子どもにも伝わりやすいもの・・
注意するときは、
「誰がしたか」ではなく「何をしたか」
を見ることを意識しましょう。
④発表会や行事で特定の子ばかり目立たせる
発表会や行事の役割を決めるときも注意が必要です。
「この子はかわいいから」
「この子は自分の言うことをよく聞いてくれるから」
という理由で、いつも同じ子を目立つ役にするのは避けたいところです。
役割を決めるときは、その子の発達や得意なこと、本人の希望、クラス全体のバランスなどを考える必要があります。
⑤お気に入りの子だけ特別に褒める
子どもを褒めることは大切です。
しかし、
「○○ちゃんは本当にかわいいね」
「○○くんだけ特別!」
など、特定の子だけが特別だと受け取られるような声かけには注意しましょう。
褒めるときは、
「最後まで片づけられたね」
「困っているお友達に声をかけていたね」
など、具体的な行動を伝えるとよいでしょう。
「自分は大丈夫」と思っていても、忙しい毎日のなかでは無意識に関わり方が偏ってしまうことがあります。
お気に入りの子がいても「ひいき」にならないための7つの工夫
「お気に入りの子がいるかもしれない」と気づいたら、その気持ちを無理に否定する必要はありません。
大切なのは、特定の子への気持ちによって保育に差が出ないよう、自分の関わり方を振り返ることです。



ここでは、お気に入りの子がいても「ひいき」にならないために意識したい7つの工夫を紹介します。
①自分が関わりやすい子を知っておく
まずは、自分がどんな子を「かわいい」「関わりやすい」と感じやすいのか考えてみましょう。
例えば、
- よく甘えてくれる子
- 話をよく聞いてくれる子
- 自分から話しかけてくれる子
- おとなしい子
- 活発で一緒に遊びやすい子
など、人によって違います。
自分の傾向がわかっていれば、
「今日はこの子とばかり関わっていたかも」
と気づきやすくなります。
②一日の関わりを振り返る
保育が終わったあとに、その日どの子と多く関わったかを簡単に振り返ってみるのもおすすめです。
「今日はAちゃんとたくさん遊んだな」
「Bくんとはほとんど話していなかったかも」
と気づくだけでも、翌日の関わり方を変えられます。
全員とまったく同じ時間だけ関わる必要はありません。
その日の子どもの状態によって、援助が多く必要な子もいるからです。
ただし、何日も続けて同じ子ばかりと関わっている場合は、少し意識してほかの子にも目を向けてみましょう。
③「誰がしたか」ではなく「何をしたか」で判断する
お気に入りの子へのひいきを防ぐうえで特に大切なのが、子どもの行動そのものを見ることです。
例えば、同じようにおもちゃを投げたとします。
お気に入りの子には、
「もう、しょうがないなあ」
と優しく注意するのに、苦手な子には、
「何回言ったらわかるの!」
と強く叱ってしまう。
このような差が続けば、子どもたちも「先生は○○ちゃんには優しい」と気づく可能性があります。
注意するときは、
「この子だから」ではなく「この行動に対して、どんな援助が必要なのか」
と考えるようにしましょう。
④自分から来ない子にも意識して声をかける
甘え上手な子や積極的な子は、自然と保育士との関わりが増えます。
一方で、自分から保育士のところへ来ない子もいます。
一人で遊ぶことが好きだったり、甘えたい気持ちを表現するのが苦手だったりする場合もあるでしょう。
そのため、
「来ないから一人で大丈夫」
とは限りません。
「何作っているの?」
「楽しそうだね」
など、こちらから自然に声をかけてみましょう。
短い関わりでも、
「先生は自分のことを見てくれている」
と感じられることがあります。
⑤子どもの「良いところ」を一人ずつ見つける
お気に入りの子には、良いところがたくさん見えやすいものです。
反対に、苦手意識がある子の場合は、困った行動ばかりに目が向いてしまうことがあります。



そんなときは、一人ひとりの良いところを意識して探してみましょう。
例えば、
「小さい子に優しかった」
「昨日より着替えが早くできた」
「片づけを最後まで頑張っていた」
「面白い発想をしていた」
など、小さなことで構いません。
子どもの良いところを見つける習慣がつくと、「お気に入りの子」「苦手な子」という見方だけではなく、一人ひとりの個性を見やすくなります。
⑥同僚の保育士に自分の関わり方を見てもらう
自分では平等に接しているつもりでも、無意識のクセにはなかなか気づけません。
信頼できる同僚がいるなら、
「私、Aちゃんとばかり関わっていないかな?」
「Bくんへの声かけ、少し強くなっていない?」
と聞いてみるのも一つの方法です。
第三者から見ることで、自分では気づかなかった関わり方が見えてくることがあります。
指摘されたときも「私はひいきなんてしていない」と否定するのではなく、自分の保育を見直す材料として受け止めてみましょう。
⑦「なぜこの子をかわいいと思うのか」を考える
最後は、自分の感情を少し深掘りしてみましょう。
例えば、
「よく甘えてくれるから」
「言うことを聞いてくれるから」
「自分を好きと言ってくれるから」
など、お気に入りになる理由が見えてくることがあります。
理由がわかれば、
「自分は積極的に甘えてくれる子と関わる時間が長くなりやすいんだ」
と、自分の傾向を客観的に捉えられます。
お気に入りの子がいることに罪悪感を持ち続けるより、自分の感情を保育の振り返りに利用することが大切です。



まずは「気づく」こと!
保護者や同僚から「ひいきしている」と思われないための注意点
保育士本人にひいきするつもりがなくても、周囲から見て「特定の子だけ特別扱いしている」と感じられることがあります。
特に保護者は、自分の子どもが園で大切にされているか気になるものです。



思わぬ誤解を防ぐためにも、日頃の行動を振り返ってみましょう。
特定の子ばかり名前を出さない
保護者との会話や同僚との会話で、いつも同じ子の名前ばかり出していないでしょうか。
「○○ちゃんって本当にかわいいんですよ」
「今日も○○くんが面白くて」
と頻繁に話していると、本人にそのつもりがなくても、
「あの先生は○○ちゃんがお気に入りなのかな?」
と思われる可能性があります。
もちろん、子どものかわいいエピソードを話すこと自体が悪いわけではありません。
ただし、特定の子に偏っていないかは意識しておきましょう。
写真や掲示物にも偏りがないか確認する
園で写真を掲示したり、保護者向けに子どもの活動を紹介したりすることがあります。
その際、いつも同じ子ばかり写っていないか確認してみましょう。
よく動く子や表情豊かな子は写真を撮りやすいため、結果として登場回数が多くなることがあります。
「この子の写真が少ないな」
と気づいたら、次の活動では意識して様子を残すなど、クラス全体を見ることが大切です。



保護者は我が子がうつっているか気になるケロ~
保護者への伝え方にも差をつけない
送迎時の会話でも、無意識に差が出ることがあります。
お気に入りの子の保護者には、
「今日こんなかわいいことがあったんですよ!」
とたくさん話すのに、ほかの保護者には、
「今日も元気でした」
だけで終わってしまう。
このようなことが続くと、保護者が対応の差を感じるかもしれません。



不信感につながります・・
毎日全員に同じ量の話をする必要はありませんが、
一人ひとりの園での様子を伝えようとする姿勢
は大切にしたいところです。
行事の役割は複数の視点で考える
発表会や運動会などでは、役割の違いが保護者にも見えやすくなります。
特定の子が毎回目立つ役になっていると、
「先生のお気に入りだから?」
と思われることもあるかもしれません。
役割を決めるときは、
- 子どもの希望
- 得意なこと
- 発達
- クラス全体のバランス
- これまでの経験
など、複数の視点から考えましょう。
迷う場合は一人で決めず、ほかの保育士と相談することも大切です。
「お気に入り」よりも苦手な子への対応に注意しよう
実は「お気に入りの子がいること」以上に気をつけたいのが、苦手な子への対応に差が出ることです。
保育をしていれば、
「この子とはなかなか関係が作れない」
「どう声をかけても反発されてしまう」
「正直、関わると疲れてしまう」
と感じることもあるかもしれません。
そんなときこそ、子どもの行動だけでなく背景を見ることが大切です。
苦手だと感じる理由を考える
まず、
「なぜこの子を苦手だと感じるのだろう?」
と考えてみましょう。
例えば、
「何度言っても話を聞いてくれない」
「すぐに友達とトラブルになる」
「自分に対して反抗的に感じる」
など、理由があるはずです。
そこからもう一歩進めて、
「なぜ話を聞けないのかな?」
「トラブルになる前に何があった?」
「自分の伝え方はこの子に合っている?」
と考えてみます。
「困った子」と決めつけるのではなく、行動の理由を探す視点を持つことで対応方法が見つかることがあります。
一人で対応しようとしない
どうしても関係がうまくいかない場合は、ほかの保育士に相談しましょう。
別の保育士ならうまく関われていることもあります。
「○○先生が声をかけると切り替えられるのはなぜだろう?」
と観察してみると、自分とは違う関わり方に気づけるかもしれません。
難しいと感じる子がいるときほど、チームで対応することが大切です。
子どもの発達や特性にも目を向ける
集団行動が苦手だったり、気持ちの切り替えに時間がかかったりする背景には、その子なりの発達や特性が関係していることもあります。
単に、
「言うことを聞かない」
「わがまま」
と捉えるのではなく、
「この子にとって分かりやすい伝え方は何だろう?」
と考えてみましょう。
子どもの行動を見る視点が変わると、「苦手な子」という感覚も少しずつ変わることがあります。
私が苦手な子と関わるときに意識していること
私自身、保育をしていると「この子にはどう伝えたらいいんだろう」と、関わり方に悩むことがあります。
そんなときに意識しているのは、できないことをすぐに怒るのではなく、
「どうすればこの子が楽しく次の行動に移れるかな?」
と考えることです。
その子の性格に合わせて、声のかけ方を変えたり、ゲームのようにしてみたり、あの手この手で試しています。
例えば、順番を守るのが苦手な子がいたとき。
「ちゃんと順番守って!」
と注意するのではなく、
「順番守れる○○君のサインくださーい‼」
と、あえて楽しい雰囲気で声をかけてみることがあります。
すると、「えっ、サイン?」という感じで子どもの気持ちがこちらに向き、楽しみながら順番を意識できることがあります。
もちろん、すべての子に同じ声かけが通用するわけではありません。
だからこそ、
「この子にはどんな言い方が伝わりやすいかな?」
「どうしたら本人がやってみようと思えるかな?」
と、その子に合う方法を考えるようにしています。
私が保育をしていて感じるのは、苦手だと思っていた子ほど、関わり方を工夫することで見え方が変わることがあるということです。
「言うことを聞いてくれない子」と考えるのではなく、「この子に伝わる方法をまだ見つけられていないのかもしれない」と考えると、こちらの関わり方も変わります。
お気に入りの子と同じように接しようとするのではなく、その子が動きやすくなる“スイッチ”を探してみることも、ひいきを防ぐ一つの方法だと思っています。
「気になる行動が多い子にどう関わればいい?」と悩んでいる方は、発達や特性に合わせた具体的な関わり方も参考にしてみてください。
【あわせて読みたい】
→ 発達が気になる子の保育|特性に合わせた関わり方を解説
園全体で「ひいき」がある場合はどうする?
自分自身は気をつけていても、
「園長がお気に入りの子だけかわいがる」
「ベテラン保育士が特定の子だけ特別扱いしている」
「園全体で子どもへの対応に差がある」
と感じる場合もあるでしょう。
この場合は、自分一人の関わり方だけでは解決できないことがあります。
まずは事実と自分の感情を分ける
「あの先生は絶対ひいきしている」
と思っても、すぐに決めつけないことが大切です。
例えば、
「Aちゃんだけ毎日長時間抱っこしている」
「同じ行動なのにAちゃんだけ注意されない」
など、実際に起きていることと、
「Aちゃんがお気に入りに違いない」
という自分の解釈は分けて考えましょう。
客観的に整理すると、ほかの職員にも相談しやすくなります。
気になる場合は信頼できる職員へ相談する
子どもへの対応に明らかな差があり、保育に影響していると感じるなら、主任や園長など信頼できる人へ相談する方法があります。
その際も、
「あの先生はひいきしています」
と決めつけるのではなく、
「同じ場面でも子どもによって対応が違うことが気になっています」
など、具体的な状況を伝えるとよいでしょう。
園内の人間関係が気になって「周りの保育士に相談しづらい」と感じている場合は、一人で抱え込まず、職場での人間関係への対処法も確認してみてください。
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→ 保育士の人間関係が怖い…つらい職場で自分を守るための対処法
園の保育方針そのものが合わないこともある
相談しても状況が変わらなかったり、園全体の考え方に違和感を持ったりする場合もあります。
例えば、
「子どもによって対応を変えることが当たり前になっている」
「自分が大切にしたい保育と園の方針が大きく違う」
という状態が続けば、働くこと自体がつらくなってしまうかもしれません。
そのようなときは、
「自分の保育が間違っているのかな」
と悩み続けるだけでなく、自分がどんな保育をしたいのかを考えてみることも大切です。
すぐに転職する必要はありません。
ほかの園の保育方針や働き方を知ることで、「今の園だけが保育のすべてではない」と気づけることもあります。
「今すぐ転職したいわけではないけれど、ほかの園ではどんな働き方ができるんだろう?」
と気になったら、ほかの保育園の求人や働き方を見てみるのも一つの方法です。
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保育士のお気に入りの子についてよくある質問
最後に、お気に入りの子について保育士が悩みやすい疑問をまとめます。
お気に入りの子がいる私は保育士失格ですか?
特定の子を「かわいい」「関わりやすい」と感じたことだけで、保育士としての良し悪しを決める必要はありません。
大切なのは、その気持ちによって子どもへの対応に差が出ていないか振り返ることです。
「私、あの子ばかりかわいがっているかも」
と自分で気づけたのであれば、ほかの子との関わり方を見直すきっかけにできます。
お気に入りの子を抱っこするのはダメですか?
抱っこすること自体が悪いわけではありません。
子どもが不安なときや甘えたいときなど、抱っこが必要な場面もあります。
ただし、
「かわいいからいつもこの子を抱っこする」
という状態になっていないかは注意しましょう。
抱っこ以外にも、隣に座る、話を聞く、手をつなぐなど、子どもが安心できる関わり方はあります。
特定の子から好かれるのはひいきですか?
子どもから好かれることと、保育士がひいきすることは別です。
子どもにも相性があるため、
「○○先生が好き」
と特定の保育士に懐くことがあります。
大切なのは、その子から好かれていることを理由に、保育士側が特別扱いしないことです。
苦手な子がいるのもダメですか?
子どもとの関わりで難しさを感じることはあります。
重要なのは「苦手だから関わらない」「苦手だから強く叱る」といった対応にならないことです。
なぜ関わりにくいと感じるのかを考え、必要なら同僚にも相談しましょう。
自分とは違う関わり方を知ることで、その子への見方が変わることもあります。
保護者に「ひいきしている」と言われたらどうすればいい?
まずは反射的に否定するのではなく、保護者がどのような場面でそう感じたのかを確認しましょう。
自分では気づいていなかった行動があるかもしれません。
一人で対応せず、主任や園長などにも状況を共有し、必要に応じて自分の関わり方を振り返ることが大切です。
まとめ|お気に入りの気持ちより「どう接するか」を大切にしよう


毎日子どもたちと関わっていると、
「この子、かわいいな」
「この子とは関わりやすいな」
と感じることもあるでしょう。
大切なのは、そう感じた自分を責め続けることではありません。
注意したいのは、その気持ちが、
- 特定の子ばかり抱っこする
- 特定の子とばかり遊ぶ
- お気に入りの子だけ注意が甘くなる
- 行事でいつも同じ子を優遇する
- 苦手な子への対応が厳しくなる
といった「ひいき」につながっていないかということです。
「最近、同じ子とばかり関わっていないかな?」
「注意の仕方に差が出ていないかな?」
と、ときどき自分の保育を振り返ってみましょう。
お気に入りの子がいることに悩んだ経験も、自分の関わり方を客観的に見直すきっかけにできます。
子ども一人ひとりの性格や発達、必要としている援助に目を向けながら、「好きだから特別にする」のではなく、その子にとって必要な関わりを考えていくことが大切です。









