
療育の仕事を辞めたい……



子どもと関わることは好きなのに、毎日仕事へ行くのがつらい



療育施設で働いていると、このように悩むことってありますよね・・
療育では、一人ひとりの発達や特性に合わせた支援が求められます。
保護者対応や支援記録、多職種との連携などもあり、一般的な保育園とは違った難しさを感じることもあるでしょう。



ただ、「療育の保育士を辞めたい」と思ったときに、一度考えてほしいことがあります。
それは、
「療育の仕事そのものが合わないのか、それとも今の施設が合わないのか」
ということです。
同じ療育の仕事でも、施設によって支援方針や職員体制、仕事内容、働きやすさは異なります。
そのため、療育そのものを辞めなくても、職場を変えることで悩みが軽くなる可能性があります。
この記事では、療育の保育士が辞めたいと感じる理由や、辞めるか迷ったときの判断基準、今の職場を離れる前にできること、療育経験を活かせる転職先について解説します。



「もう辞めるしかない」と決めてしまう前に、今のつらさの原因を一緒に整理していきましょう。
療育の保育士が辞めたいと感じる7つの理由


療育は、子どもの小さな成長を近くで支えられる仕事です。
一方で、実際に働き始めてから「思っていた仕事と違った」と戸惑うこともあります。
まずは、何が「辞めたい」という気持ちにつながっているのか整理してみましょう。
1.子どもへの支援に正解が見えない
療育では、一人ひとりの発達段階や特性に合わせた支援が必要です。
ある子にうまくいった方法が、別の子にも同じように合うとは限りません。
そのため、
「今日の対応でよかったのかな」
「もっと違う声かけができたのでは?」
と悩むことがあります。



特に療育経験が浅いうちは、自分の支援に自信を持てないこともあるケロ・・
しかし、療育では短期間で大きな変化が表れるとは限りません。
以前より活動に参加できる時間が少し長くなった、気持ちを伝えようとする場面が増えたなど、小さな変化を長い目で見ることも大切です。
子どもの発達や特性に合わせた関わり方に悩んでいる方は、こちらの記事でも具体的な対応方法を紹介しています。
→【発達が気になる子の保育|特性に合わせた関わり方と対応のポイント】
2.専門的な知識が足りないと感じる
保育士資格を持っていても、発達支援について十分に学んでから療育施設で働き始める人ばかりではありません。
実際に働くと、
「この特性にはどう対応すればいい?」
「この支援方法で合っている?」
と迷う場面が出てきます。
周囲に相談できる職員がいたり、研修制度が整っていたりすれば学びながら働けます。
反対に、十分な説明やフォローがないまま支援を任される環境では、不安が大きくなりやすいでしょう。
「知識が足りないから療育に向いていない」とすぐに判断するのではなく、学べる環境があるかどうかも確認してみてください。
3.保護者対応にプレッシャーを感じる



療育では、子どもへの支援だけでなく、保護者との関わりも重要です。
子どもの発達について不安を抱えている保護者もいるため、伝え方に悩むことがあります。
「どこまで伝えていいのだろう」
「うまく説明できなかったらどうしよう」
とプレッシャーを感じる人もいるでしょう。
保護者対応を一人の職員だけで抱え込むのではなく、難しいケースでは管理者やほかの職員と情報を共有できる環境が大切です。
4.職員との支援方針が合わない
療育施設では、保育士だけでなく児童指導員など、さまざまな立場の職員と一緒に支援することがあります。



そこで難しいのが、支援に対する考え方の違いです。
「私はこう関わりたいのに、施設の方針とは違う」
「職員によって子どもへの対応が違う」
といった状態が続けば、仕事へのストレスにつながります。
療育そのものが嫌なのではなく、今の施設の支援方針が自分の考え方と合っていない可能性もあります。
5.記録や計画などの業務が多い
療育では、子どもと直接関わる時間以外にもさまざまな業務があります。
支援記録や会議、保護者への連絡など、施設によって仕事内容は異なります。
「もっと子どもと関わりたかったのに、記録に追われている」
と感じることもあるでしょう。
業務量が多いうえに残業まで続けば、療育へのやりがいより疲労の方が大きくなってしまいます。
6.給与や待遇に不満がある
仕事内容や責任に対して、
「給与が見合っていない」
「もっと休みがほしい」
と感じることも、辞めたい理由になります。
ただし、給与や休日、福利厚生などの条件は施設によって異なります。
7.人間関係に疲れている
どれだけ仕事内容にやりがいを感じていても、人間関係が悪ければ働き続けるのがつらくなることがあります。
相談したくてもできない。
意見を言うと否定される。
特定の職員に仕事が集中する。
こうした環境では、療育そのものまで嫌になってしまうことがあります。
「療育が向いていない」と決める前に考えたいこと
仕事がつらい日が続くと、
「私は療育に向いていないのかも」
と思ってしまうことがあります。
しかし、辞めたい原因が必ずしも「療育に向いていないから」とは限りません。
療育が嫌なのか今の施設が嫌なのかを分ける
まず考えてほしいのが、
「別の療育施設だったとしても辞めたいと思うか?」
ということです。
たとえば、
・子どもへの個別的な関わりは好き
・発達支援には興味がある
・子どもの小さな成長に喜びを感じる
という気持ちが残っているのであれば、療育そのものが嫌になったわけではない可能性があります。
一方、
・発達支援そのものに興味を持てない
・療育で求められる関わり方が大きな負担になっている
・別の保育分野で働きたい気持ちが強い
のであれば、療育以外の仕事を考えてもよいでしょう。
経験不足による不安ではないか考える
療育に限らず、新しい分野へ転職した直後は分からないことがたくさんあります。
「対応方法が分からない=向いていない」
とは限りません。
先輩に相談したり研修を受けたりすることで、少しずつ自信がついてくることもあります。
ただし、分からないことを質問できない、十分な指導がないといった環境であれば、本人の適性より職場の教育体制に問題がある可能性も考えてみましょう。
療育の仕事内容を改めて整理する
「療育の仕事が自分に合っているのか分からない」という方は、仕事内容や必要な資格、向いている人の特徴を一度整理してみるのもおすすめです。
→【療育とは?保育士の仕事内容・必要な資格・向いている人をわかりやすく解説】
今の職場だけを基準にして「療育は自分に合わない」と判断するのではなく、療育という仕事全体を見直してみましょう。
療育の保育士を辞めるか迷ったときの判断基準
「もう少し続けた方がいいのかな」
「転職した方がいいのかな」
と迷っているなら、次のポイントから考えてみましょう。
職場を変えれば解決できそうか
まず、辞めたい理由を書き出してみてください。
たとえば、
「人間関係がつらい」
「残業が多い」
「支援方針が合わない」
「相談できる人がいない」
という悩みなら、職場を変えることで改善できる可能性があります。
一方で、
「療育そのものから離れたい」
「別の仕事をしてみたい」
という気持ちが強いのであれば、療育以外の転職先も含めて考えた方がよいでしょう。
相談や配置変更で改善できるか
すぐ退職を決める前に、職場内で改善できることがないか考えてみましょう。
業務量が多いのであれば上司に相談する。
特定の業務に不安があるなら、サポートしてもらえないか聞いてみる。
人間関係や配置に問題がある場合は、配置変更が可能か相談してみる。
こうした対応で状況が変わることもあります。



ただし、相談しても改善されない環境で無理を続ける必要はありません。
心や体への負担が続いていないか
仕事のことを考えるだけで強い苦痛を感じる、眠れない、食欲がないなど、心身に変化が出ている場合は「もう少し頑張れば大丈夫」と無理を重ねないことが大切です。
必要に応じて休暇や休職を検討したり、医療機関など専門家へ相談したりしてください。
療育を続けたい気持ちが残っているか
「今の施設は辞めたい。でも療育は好き」
と思えるのであれば、別の療育施設へ移ることもできます。
逆に、
「もう療育以外の仕事を経験してみたい」
と思うのであれば、保育園や病児保育など別の保育分野、あるいは保育士以外の仕事まで選択肢を広げてもよいでしょう。
療育の保育士を辞める前にできる5つのこと
辞めたいと思ったからといって、今日すぐ退職を決める必要はありません。



次の職場で同じ悩みを繰り返さないためにも、一度状況を整理してみましょう。
上司や信頼できる職員に相談する
一人で考えていると、
「自分が悪いのかもしれない」
と必要以上に悩んでしまうことがあります。
信頼できる上司や同僚に話すことで、別の視点から解決方法が見つかることもあります。
支援について学ぶ機会を増やす
「知識不足が不安」という場合は、研修や書籍などで学ぶことで自信につながる場合があります。



ただし、休日まで勉強し続けなければ仕事が回らない状態になっているなら注意が必要ケロ!
本人の努力だけでなく、職場に研修やフォローの仕組みがあるかも重要です。
休暇を取って仕事から離れてみる
疲れているときは、
「辞めるか、続けるか」
の二択しか見えなくなることがあります。
可能であれば休暇を取り、仕事から離れる時間を作ってみましょう。
ほかの施設の求人を見てみる
転職を決めていなくても、求人を見ることはできます。
ほかの療育施設の給与や休日、仕事内容、研修制度などを確認すると、
「今の職場しか知らなかった」
と気付くこともあります。
反対に、現在の職場の良いところが見えてくる場合もあります。
転職するかどうかを決めるための情報収集として、ほかの求人を見てみるのも一つの方法です。
辞めたい理由に優先順位をつける
転職するなら、
「次の職場では何を改善したいのか」
を明確にしておきましょう。
給与なのか、休日なのか、人間関係なのか、支援方針なのか。
すべての条件を満たす職場を探すのは難しくても、「これだけは譲れない」という条件を決めておけば、求人を選びやすくなります。
療育を辞めたい保育士に考えられる転職先
療育施設を辞めても、これまで身につけた経験がなくなるわけではありません。
子どもの様子を観察する力、一人ひとりに合わせて関わる力、保護者やほかの職員と連携する力などは、次の職場でも活かせます。
別の児童発達支援施設
「療育自体は好き」という人なら、別の施設への転職が第一候補になります。
同じ児童発達支援でも、施設によって支援方針や対象となる子ども、職員体制などが異なります。
現在の施設で何がつらかったのかを整理して、次はその条件を確認してから選びましょう。
放課後等デイサービス
就学後の子どもとの関わりに興味があるなら、放課後等デイサービスも選択肢になります。
施設によって活動内容や支援方針は異なるため、「放デイなら働きやすい」と決めつけず、求人内容や職場の体制を確認することが大切です。
保育園や認定こども園
療育で培った経験は、保育園などでも活かせます。
特に、一人ひとりの発達や行動をよく観察し、その子に合わせた関わり方を考えてきた経験は、日々の保育にもつながります。
「療育は離れたいけれど、子どもと関わる仕事は続けたい」という方にとって有力な選択肢です。
病児保育など別の保育分野
保育士資格を活かせる場所は、一般的な保育園だけではありません。
私は現在、小児科に併設された病児保育で働いています。
同じ保育士資格を使う仕事でも、働く場所が変われば、子どもとの関わり方や一日の流れも変わります。
「今の保育の働き方が合わない」と感じているなら、別の分野まで視野を広げてみるのも一つの方法です。
保育士以外の仕事
「子どもと関わる仕事から一度離れたい」という場合は、一般企業などへ転職する道もあります。
保育士として培ったコミュニケーション力、観察力、臨機応変な対応力などを活かせる仕事もあります。
→【保育士から違う仕事に転職したい!おすすめの仕事7選と転職のコツ】
療育は好きだけど今の施設を辞めたいなら転職も選択肢


ここまで考えて、
「療育の仕事自体は嫌いではない」
「子どもの発達を支える仕事は続けたい」
「でも今の施設で働き続けるのはつらい」
という答えになったなら、療育を辞めるのではなく職場を変えることも考えてみてください。
療育施設は、施設ごとに支援方針や仕事内容、給与、休日、職員体制などが異なります。
転職するときは求人票の給与だけを見るのではなく、
・どのような療育を行っているか
・職員配置やサポート体制
・研修制度
・残業や持ち帰り仕事
・休日や福利厚生
・職場の雰囲気
なども確認しておきたいポイントです。
特に「今の施設の何が嫌だったのか」を整理してから求人を探すことが大切です。



同じ悩みを次の職場でも繰り返さないためです。
療育や発達支援の求人を探したい方は、保育士向け転職サービスを使って条件を比較する方法もあります。
療育・発達支援の求人を探すときに利用しやすい保育求人ラボについて、口コミやメリット・デメリットをこちらの記事で詳しく紹介しています。
→【保育求人ラボの口コミ・評判は?メリット・デメリットを解説】
まとめ|療育を辞めたい理由を整理してから次の働き方を決めよう


療育の保育士が辞めたいと感じる理由には、支援への不安、保護者対応、人間関係、業務量、給与や待遇などがあります。
大切なのは、
「療育そのものを辞めたいのか、今の施設を辞めたいのか」
を分けて考えることです。
療育そのものが好きなのであれば、別の児童発達支援施設や放課後等デイサービスへ移ることで働きやすくなる可能性があります。
一方、療育以外の仕事に興味があるなら、保育園や病児保育、さらに保育士以外の仕事まで視野を広げてもよいでしょう。
辞めることだけを急いで決めるのではなく、「次はどんな環境なら働き続けられそうか」まで考えることが、次の職場選びでは大切です。
今の職場だけを基準に、自分は保育士に向いていない、療育に向いていないと決めつける必要はありません。
これまでの経験を活かしながら、自分が無理なく働き続けられる場所を探してみてください。









