
毎日残業しているのに、残業代がつかない……



持ち帰り仕事も多いのに、給料は変わらない・・



保育士だから仕方ないのかな?
そんなふうに悩んでいませんか?
保育士の仕事は、子どもと過ごす時間だけではありません。
指導案や連絡帳、行事準備、保護者対応など、保育以外にもさまざまな業務があります。
そのため、勤務時間内に仕事が終わらず、残業や持ち帰り仕事が発生することもありますよね。



しかし、「保育士だから残業代が出なくても仕方ない」というわけではありません。
実際に働いた時間や雇用契約の内容によっては、残業代の支払いが必要になる場合があります。
この記事では、保育士の残業代が出ない理由、未払いが疑われるときの対処法、相談先、残業代がきちんと支払われる職場の見分け方をわかりやすく解説します。
今の職場で改善できることを確認しながら、無理なく働ける方法を考えていきましょう。
保育士の残業代が出ないのは違法?まず知っておきたい基本


「残業代が出ないのはおかしい」と感じても、法律上どのように考えればよいのかわからない方も多いですよね。



まずは、残業代の基本的なルールを確認するケロ☆
保育士だから残業代が出ないわけではない
保育士も、労働基準法などの労働関係法令が適用される労働者です。
原則として、法定労働時間である1日8時間・週40時間を超えて働いた場合には、時間外労働に対する割増賃金の支払いが必要です。
また、法定労働時間を超えていなくても、契約で定められた所定労働時間を超えて働いた分について、通常の賃金の支払いが必要になる場合があります。
例えば、所定労働時間が7時間の人が8時間働いた場合、法定時間外労働の割増賃金とは別に、契約や賃金規程に基づく賃金の問題が生じます。
「定時を過ぎた時間=すべて25%増し」とは限りませんが、定時後の仕事が無給でよいという意味でもありません。
残業代が発生するのはどんな仕事?
保育士の場合、勤務時間外に次のような仕事をすることがあります。
- 指導案や月案の作成
- 連絡帳や保育記録の入力
- 行事の準備や制作物の作成
- 保護者対応
- 職員会議への参加
- 清掃や片付け
これらも、使用者の指揮命令下で行われる労働であれば、労働時間に該当する可能性があります。
持ち帰り仕事も残業になる場合がある
保育士の仕事で特に悩みやすいのが、持ち帰り仕事です。
「家でやった仕事だから残業代は出ない」
と言われることもあるかもしれません。
しかし、仕事をした場所が自宅だからといって、必ず労働時間から除外されるわけではありません。
例えば、園から指示された書類作成や、期限までに終わらせる必要がある業務を自宅で行っている場合などは、具体的な事情によって労働時間に該当する可能性があります。
一方で、完全に自主的に行った作業などは、必ずしも労働時間になるとは限りません。
固定残業代がある場合はどうなる?
求人票や雇用契約書に「固定残業代あり」と書かれている場合もあります。
固定残業代とは、一定時間分の時間外労働などに対する賃金を、あらかじめ定めて支払う仕組みです。
ただし、固定残業代があるからといって、何時間働いても追加の残業代が不要になるわけではありません。
固定残業代に含まれる時間数や金額、超過した場合の支払い方法などを確認しましょう。
また、「残業代込み」という説明だけで、具体的な内訳がわからない場合は、雇用契約書や賃金規程を確認することが大切です。



あやふやになっていることも意外と多いはず・・
保育士の残業代が出ない主な理由


残業代が支払われない背景には、勤怠管理や職場の慣習、業務量など、さまざまな問題が考えられます。
ここでは、保育現場で起こりやすいケースを紹介します。
タイムカードを押したあとも仕事をしている
「退勤のタイムカードを押してから、残って仕事をする」
そんな働き方が当たり前になっている職場もあるかもしれません。
私自身も、退勤のタイムカードを押してから残業させられた経験があります。
記録上は退勤していても、実際には書類作成や行事準備を続けていると、働いた時間と勤怠記録にズレが生じます。
タイムカードを押したからといって、その後の仕事が自動的に労働時間ではなくなるわけではありません。
実際に何時まで、どのような仕事をしていたのかを確認することが大切です。
残業の申請をしにくい雰囲気がある
「残業申請をすると嫌な顔をされる」
「みんな申請していないから、自分だけ言い出しにくい」
という職場もあるかもしれません。
しかし、残業を申請しにくい雰囲気があることと、実際に働いた時間に対する賃金の支払いが必要かどうかは別の問題です。
残業が必要な場合は、事前に上司へ相談し、どのように勤怠を記録すればよいか確認しましょう。



頼りになる上司ならいいんですけどね・・
書類や行事準備が勤務時間内に終わらない
保育士は、子どもがいる時間に事務作業を進めることが難しい場合があります。
そのため、保育終了後に書類作成や行事準備が集中し、残業が発生することもあります。
「仕事が終わらないのは自分の要領が悪いから」
と感じてしまう方もいるかもしれません。
しかし、業務量や人員配置、仕事の進め方に問題がある場合もあります。



どうやっても事務作業をする時間が確保できないときもありますよね・・
まずは、どの仕事にどれくらい時間がかかっているのかを整理し、勤務時間内に終わらせるための調整ができないか相談してみましょう。
「保育士だから仕方ない」という慣習が残っている
「昔からみんな残っている」
「行事前はサービス残業が当たり前」
という雰囲気があると、残業代について疑問を持ちにくくなることがあります。
しかし、職場の慣習と法律上のルールは別です。
周囲の先生が無給で働いているからといって、自分も同じように働かなければならないわけではありません。
「保育士だから仕方ない」とあきらめる前に、今の働き方が適切なのか確認してみましょう。
残業代が出ないときの対処法と相談先


「残業代が出ていないかもしれない」と思ったら、まずは働いた時間や給与の内容を確認することが大切です。



いきなり退職を決めるのではなく、今の職場でできることから整理していきましょう。
まずは勤務時間と給与明細を確認する
最初に、雇用契約書や就業規則、給与明細を確認してみましょう。
確認したいのは、次のような点です。
- 所定労働時間は何時間か
- 残業代の計算方法はどうなっているか
- 固定残業代がある場合、何時間分・いくらなのか
- 実際に働いた時間と勤怠記録が合っているか
- 給与明細に時間外手当が記載されているか
「残業代が出ていない」と思っていても、給与明細のどの項目に含まれているのかわからない場合もあります。
まずは、契約内容と実際の支払いを照らし合わせてみましょう。
実際に働いた時間を記録しておく
未払いが疑われる場合は、実際に働いた時間を記録しておくことが大切です。
例えば、
「何時から何時まで働いたか」
「どのような仕事をしていたか」
「誰から指示された仕事か」
「持ち帰り仕事を何時間行ったか」
などを、日付とともに残しておきましょう。
タイムカードやシフト表、業務日報、仕事の指示がわかるメールなども、状況を確認するための資料になる場合があります。
園長や法人の担当者へ確認する
勤務時間と給与の内容を確認したら、園長や法人の人事・給与担当者へ相談してみましょう。
例えば、
「○月○日は、退勤記録のあとも行事準備をしていました。勤務時間の扱いを確認したいです」
「持ち帰りで行っている書類作成について、どのように勤怠を記録すればよいでしょうか」
など、具体的に伝えると相談しやすくなります。
改善されない場合は労働基準監督署などへ相談する
職場へ相談しても改善されない場合や、未払いが疑われる場合は、労働基準監督署などの公的な相談窓口を利用できます。
「いきなり労働基準監督署へ行くのは不安……」
という方は、厚生労働省の「労働条件相談ほっとライン」で相談する方法もあります。
残業代や労働時間について、どのように考えればよいか、どこへ相談すればよいかを確認できます。
また、未払い賃金の請求には時効の問題もあるため、長期間そのままにせず、早めに相談することが大切です。
退職を考える場合も、未払いの問題とは分けて考える
「もうこの園では働きたくない」
と思うほど、残業代の問題がストレスになっている方もいるかもしれません。
ただ、転職したからといって、今の職場の未払い賃金の問題が自動的に解決するわけではありません。
未払いが疑われる場合は、必要な記録を整理し、公的な相談窓口などへ相談することを考えましょう。
そのうえで、今後も保育士として働きたい場合は、残業代や勤務時間が明確な職場を探すという選択肢もあります。
残業代がちゃんと出る保育園の見分け方


今の職場で改善が難しい場合は、ほかの保育園の働き方を知ってみるのも一つの方法です。
ただし、求人票に「残業少なめ」と書かれているだけで、働きやすい職場だと判断するのは難しいものです。
転職を考えるときは、残業時間だけでなく、残業代の支払い方法や業務量、休憩の取りやすさまで確認することが大切です。
求人票の「残業代」と「固定残業代」を確認する
求人票を見るときは、基本給だけでなく、残業代の記載も確認しましょう。
例えば、
「時間外手当は別途支給」
「固定残業代○時間分を含む」
「固定残業代を超えた分は別途支給」
など、どのように記載されているかを確認します。
固定残業代がある場合は、金額や時間数、超過分の支払いについても確認しておきたいところです。
残業時間だけでなく持ち帰り仕事も確認する
「月の残業時間は少ないです」
と説明されても、持ち帰り仕事が多ければ、実際の負担は大きくなる可能性があります。
そのため、面接や職場見学では、
「書類作成は勤務時間内にできますか?」
「行事前の準備はどのように進めていますか?」
「持ち帰り仕事はありますか?」
「残業が発生した場合は、どのように申請しますか?」
などを確認してみましょう。



残業時間の数字だけでなく、仕事を勤務時間内に終わらせる仕組みがあるかを見ることが大切ケロ!
休憩や人員配置についても確認する
残業代がきちんと支払われていても、毎日長時間の残業が続くと、身体への負担は大きくなります。
そのため、残業代だけでなく、休憩の取りやすさや人員配置も確認しておきましょう。
例えば、
「休憩はどのように取っていますか?」
「書類作成の時間は確保されていますか?」
「急な欠勤が出たときは、どのように対応していますか?」
などです。
働きやすさは、給与だけでなく、日々の業務を無理なく続けられるかどうかも大切です。
転職サイトを利用する場合は、残業・給与条件を具体的に伝える
「今の園では残業代が出ないことが悩み」
「次は残業代がきちんと支払われる職場で働きたい」
という方は、転職サイトを利用するときに、その希望を具体的に伝えておくとよいでしょう。
例えば、
「残業代が別途支給される園を探したい」
「持ち帰り仕事が少ない職場がいい」
「残業時間だけでなく、実際の業務量も確認したい」
などです。
求人票だけではわからないこともあるため、気になる園があれば、面接や職場見学で確認することも大切です。
「今すぐ転職するかは決めていないけれど、ほかの園の働き方も知ってみたい」という方は、こちらの記事で保育士向け転職サイトの特徴や選び方を比較しています。
まとめ|残業代が出ないときは、まず働いた時間を確認しよう


保育士だからといって、残業代が支払われなくてもよいわけではありません。
書類作成や行事準備、持ち帰り仕事なども、具体的な働き方によっては労働時間に該当する可能性があります。
「残業代が出ていないかもしれない」と感じたら、まずは雇用契約書や給与明細、実際に働いた時間を確認してみましょう。
職場へ相談しても改善されない場合は、労働基準監督署などの公的な相談窓口を利用する方法もあります。
また、今の職場で働き続けることが難しいと感じたら、残業代の支払い方法や業務量が明確な職場を探すことも一つの選択肢です。
「保育士だから仕方ない」とあきらめず、働いた時間が適切に扱われる環境で、無理なく保育を続けられる方法を考えていきましょう。









