こんにちは!
30代で保育士デビューをして、現在は小児科で病児保育士をしている「かもん」です。
みなさん、病児保育って知っていますか?
正確には、病児・病後児保育といいます。
病児・病後児保育とは?
・病児保育=病気のお子さんを預かり保護者の代わりに看護、保育するサービス
・病後児保育=病気の回復途中のお子さんを預かり保護者の代わりに看護、保育するサービス
働いているお父さんお母さんの強い味方でもあります!
病児保育って何?病児保育についての説明はこちら
私は現役の病児保育士として病院で勤務していますが、その経験をもとに今回はお子さんをお預かりできない理由を解説しようと思います。
◎病児保育に子どもを預けたいけど、どんなときに受け入れを断られるか知っておきたい人
◎自分の子供が預かってもらえそうか利用する前に知っておきたい人
こんな人はぜひこの記事を参考にしてみてください。
病児保育の施設側が子どもを預かれないパターンを事前に知っておくことで、実際に利用したいときに預かってもらえそうかの予想がしやすくなります。
また保護者が気を付けることや施設側に確認しておいたほうがいいことなどもわかります。
この記事を読んでわかること
- 病児保育で子供が受け入れ不可になる理由
- 病児保育・病後児保育の違い
あくまでも、わたし「かもん」の勤務する病院での経験をもとにしています。
各施設によって判断の基準は違いますので、こちらの記事は参考程度にとどめておいてくださいね。
病児保育で子供が受け入れ不可になる理由
ここからは病気保育を希望されていたにもかかわらず、お預かりできなかった理由を体験をもとにお伝えします。
ちなみに私の勤務する病院は、病児・病後児保育としてお子さんをお預かりしています。
病気の子も、回復期の子もお預かりしています!
理由①人数オーバー
病児保育を希望されるお子さんが、施設の受け入れ定員を超えている場合。
大体の施設では、利用日の前日か当日の朝に利用の予約を入れる必要があります。
その際に、定員がいっぱいであればキャンセル待ちで待機になったりもします。
キャンセル待ちでも、お預かりができるかどうかは各施設によって異なります。
事前にキャンセル待ちの場合は、施設側の対応がどういうものか事前に問い合わせて確認しておくと安心です。
ちなみにかもんの病院では、キャンセル待ちでも医師の診察・判断のもとお預かりする場合もあります。
理由②職員の数が不足している
病児保育の職員の配置基準は以下の通りです。
病児保育・病後児保育 共通
看護師 利用児童おおむね10名につき1人
保育士 利用児童おおむね3名に1人
お預かりする子どもに対する職員数が決まっていますので、利用日に職員数が少なければお預かりできる人数も減ります。
コロナ禍では特に、濃厚接触者などで出勤できない職員が多く、急きょお預かりの定員を減らすこともたびたびありました。
理由③子供の体調が悪すぎる・預かれない病気
病児保育は病後児保育と違って、病気の回復期だけではなく、発症して間もないお子さんも預かります。
しかし、あまりにも症状が重かったり、けいれんを起こす可能性が高い場合などはお断りすることもあります。
例をあげると・・
・嘔吐が止まらずずっと吐いている、水分もとれずフラフラ状態
・ひどい水下痢が何度も出ている、オムツからも漏れ出ており他の子へ感染する可能性が高い。など
水分不足は重大な疾病を引き起こしかねません。
また、けいれん持ちのお子さんで、水分が取れておらず脱水状態などけいれんを起こしやすい状態のときにも、お断りする場合があります。
預かれない病気の代表は、新型コロナです。
他にも別室での保育が必要な、インフルエンザ・水疱瘡・おたふくかぜなども、当日のスタッフの人数によってはお断りすることがあります。
理由④子どもの既往症や情報がわからない
病児保育でお預かりするためには、まずお子さんが今までかかった病気(既往歴)やアレルギーなどを正しく把握する必要があります。
このため必要な情報を提示していただけない場合、安全にお子さんをお預かりできないと判断してお断りする場合があります。
初診のときは母子手帳やお薬手帳も持参してくださいね。
他の病院で受診した際の検査結果なども持参してもらえると、当日検査する手間が省けますよ!
理由⑤重大な持病がある
例えば、心臓に疾患があり行動を制限しなくてはいけない場合や、その他特別な処置が必要な疾患や怪我の場合。
- 専門の知識や技術を持った職員がいない
- 付きっきりでの介助が必要な場合は、職員の数と受け入れ児の数のバランスに無理が生じてしまう
- 他の子どもとも関わる機会があるため、危険が生じる
上記のような理由で、お断りする可能性もあります。
不安であれば事前に電話などで施設に連絡して、相談しておきましょう。
理由⑥月齢が小さい乳児
お子さんがあまりにも月齢が小さい場合。
生後3ヶ月にも満たない赤ちゃん
母乳のみでミルクを飲ませたことのない赤ちゃん
このようなお子さんは特にお預かりが難しい場合が多いです。
月齢が小さいお子さんで、脱水がみられたり母乳しか口にしないなどの場合は、お母さんの看護が必要かと思います。
また、施設によって、受け入れ可能の月齢は違います。
利用する施設の受け入れ可能の月齢を、あらかじめよく確認しておいてくださいね。
理由⑦必要な検査を受けない
お子さんをお預かりするのにあたり、いろんな検査が必要になってくる場合もあります。
- 肺炎の疑いがあるためレントゲンを撮る
- ぐったりしているので血糖値を測定する
- 感染症の検査をする(新型コロナ、インフルエンザ、溶連菌、ノロウイルスなど)
検査する理由は?
・お子さん自身の急な体調の変化を予測してお預かりするため
・お預かり時の症状の変化に対して適切な投薬をするため
・他にお預かりしているお子さんに感染させないため
これらの検査は、医師が必要と判断して実施されます。
必要とされた検査を受けない場合には、やむを得ずお預かりをお断りすることもあります。
理由⑧子供の病気ではなく親の都合で預ける
お子さんの体調が回復していたり、そもそも登園できる状態でも病児保育に預かり希望をされる保護者の方がたまにいます。
多い理由としては、
「兄弟が病児保育に行くので一緒にあずかってください」
というものです。
確かに兄弟で別々の施設に通うとなると、保護者の方の負担はかなりのものになります。
しかし、病児保育の役割は「病気の子どもを預かること」です。
本当に病児保育を利用する必要のあるお子さんが、定員オーバーで預かれなくなってしまうこともあります。
そういう方たちのためにも、常識の範囲内で必要なお子さんだけをお預けいただきたいです。
子育ての大変さ、共感できますよね。
皆さんで思いやりを持ちあえると素敵です!
理由⑨何度も無断キャンセルをする
事前に予約されているにもかかわらず、連絡なしで無断キャンセルする方がいます。
1度や2度くらいでしたら、忙しい毎日のことでしょうし、うっかり忘れてしまうこともありますよね。
しかし、何度も無断キャンセルを繰り返し、その後何の連絡もない方は他の利用者の迷惑にもなりますのでお預かりの予約を以後受け付けられなくなることがあります。
理由⑩子供になんらかの発達支援が必要な場合
・お子さん発達の上で不安な点がある
・他の医療機関や施設で何らかの診断を受けられている場合
このような場合は、予約や受診のときにそのことをお伝えいただくとありがたいです。
事前に把握できていると職員の配置も組みやすいですし、経験の豊富な職員を担当にできることもあります。
反対に何も情報がないままお預かりした場合、必要な配慮や支援が行き届かないことにもつながりかねません。
その結果、次回からの予約をお受けできなくなっては本末転倒です。
お子さん自身が快適に病児保育で過ごせるよう、ご協力とご理解をお願いします。
\忙しいお母さんの強い味方!今ならキャンペーン中☆/
病児保育・病後児保育の預かり基準とは?
それでは、病児保育・病後児保育の対象となるのはどんな子どもでしょうか。
病児保育に関しては、
・病気にかかっているお子さんで入院の必要はない程度の症状であること。
・骨折や外科治療後で、集団保育にはまだ不安がある子どもなどです。
各自治体や実施施設によって、受け入れの基準は異なります。
事前にお問い合わせ、医師の診察の上で病児保育を利用してほしいケロ
いっぽう、病後児保育に関しては、全国病児保育協議会のHPで発表している「受け入れ目安」があります。
主な症状 | 受け入れの基準条件 | 受け入れ可能な状態 |
---|---|---|
体温 | 38.5度以下 | |
嘔吐・下痢 | ・脱水症状がない ・水分などを摂取できる ・連続した嘔吐や下痢がない | [各項目共通] ・倦怠感がなく元気がある ・水分や食事がとれる |
咳・喘鳴 | ・呼吸困難がない ・異常呼吸がない ・チアノーゼがない | ・呼吸状態が落ち着いている ・麻疹・水疱瘡等の感染力の強い発疹性疾患がない |
骨折・脱臼・その他 | 医療情報提供書で病後児保育可能との診断がある場合 | ・骨折・脱臼やケガは、保育者の介助や援助を受けながら、食事や移動ができる ・医療情報提供書をもとに協力医や利用児のかかりつけ医と相談 |
このように、病後児保育に関しては全国共通の基準が設けられています。
預け先を病児保育にするか病後児保育にするか悩んだ際には、ぜひ参考にしてみてください。
子どもが病気の時の便利アイテムは?現役病児保育士のおすすめ12選!
まとめ:病児保育を利用する前に施設の情報を集めておくと安心
病児保育は、子育て中の働くお父さん・お母さんの強い味方です。
本来であれば、希望されるお子さんをみんなお預かりできるのが理想です。
しかしここ最近の病児保育の必要性はどんどん高まってきており、連日予約がいっぱいになっているのが現状です。
なるべく保護者の方のご希望に沿ってお預かりできるよう、施設側もいろいろな対策をしてできる限りの対応をしています。
保護者の方たちの思いや考えもあるでしょうから、ご自身の方針に合う施設をよく選んで利用するのが良いと思います。
ときには見学や問い合わせをしてもいいと思います。
保護者の方たちが安心してお子さんを預けられ、お子さんが快適に病児保育で過ごすことができるよう、保護者の方と私たち受け入れる側が良い連携をとっていけることが必要ですよね。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
▼病院嫌いの子供に読んでほしい絵本!現役病児保育士おすすめ5選☆